
イスラエルのワイン業界において
最も古いプレイヤーの一つ
ティシュビ・ワイナリーには130年以上も続くティシュビ・ファミリーの物語がありますが、それは1882年にミハエル・カミレツキーとマルカ・カミレツキー夫妻がリトアニアより移住し、カーメル山麓の南側スロープにあるジフロン・ヤーコブに拠を構えた事から始まります。
彼らは可能な限りのありとあらゆる植物や木々を植えながら、石だらけの土壌に何が向いているのかを繰り返し、これらの試行錯誤の中からブドウが良く育つことを見つけ出すのです。
そしてカーメルワイナリーの創設者で有り、イスラエルの近代ワイン作りに重要な役割を果たしたエドモンド・ドゥ・ロスチャイルド男爵は、このようなカミレツキー達の活動とその結果の中から、イスラエルにワイン産業を興す事を決意するのです。

カミレツキーは男爵からの依頼を受けてブドウ作りを始めますが、その後一世紀以上にも渡ってファミリーは男爵がその基礎を作り上げたカーメルワイナリーの為にブドウ作りを続ける事になります。
そんな経緯から男爵(バロン)にちなんでバロン・ワイナリーと呼ばれていた時期もあり、イスラエルのワイン業界において最も古いプレイヤーの一つなんですね。
1984年にカミレツキーの孫にあたるジョナサン・ティシュビによってティシュビワイナリーが創設されますが、これはその後に続くイスラエルにおけるブティックワイナリー興隆の先駆けとなるものでした。
まさにイスラエルにおける近代ワイン造りのパイオニアとしての役割を果たして来たと言えるでしょう。
このように初期のブドウ造りの中心的な役割を担い、また最も古いワイナリーの一つとして歴史的な役割を果たして来たティシュビワイナリーは、その後のイスラエルのワイン産業を担う多くの若者が経験を積む場として一時期を過ごしており、著名なワイナリー創業者やワインメーカーを数多く排出しているのです。
一貫した自然志向のワイン造り
ティシュビ・ワイナリー創設の後は一貫してファミリーによるワイナリー経営が行われていまして、葡萄作りに農薬や、殺菌剤、除草剤等々を使用せず、また肥料を使う事も無く、土壌の持つ力を信じてブドウを育てるやり方が引き継がれていて、 ヴィーガンワインやオーガニックワインも造っています。
そしてカルメル山麓のジフロン・ヤーコヴから始まったブドウ作りもガリラヤ地方、エルサレム近郊のジュデアンヒルズ、そして南のネゲヴ砂漠とイスラエル全土に広がりを見せています。

黒帯を付けたティシュビのシングルヴィンヤード・シリーズ
ティシュビのオリーブオイルとワインゼリー
上質で評判の高いワインを作り続ける一方で、地域の観光スポットともなっているワイナリーのビジター・センターにはワインとチョコレートの試飲室があったり(ティシュビのワインと共にヴァローナの各種チョコレートを楽しむことができます)、ワインに留まらずブランディも作っていますし、隣接するレストランでは様々な料理を提供したりとその活動は広く食の世界に関わっていて、オリーブオイルやワインゼリーを作っているのもこんな流れの一環なんですね。

ティシュビのオリーブオイルとワインゼリー
元々イスラエルはオリーブオイルでも有名で、ティシュビのオリーブオイルも素晴らしく美味しいと評判のエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルです。一方のワインゼリーにはカベルネ・ソーヴィニョンにイチジクを加えたゼリーやシャルドネにマンゴを加えたゼリーなどがあり、甘さは控えめの上品な味わいで、ワインの香りがほのかに漂います。
チーズと一緒にフランスパンにつけて食べると実に美味しくて、いろいろ取り寄せてみたくなる、洒落た味わいが広がります。

シャルドネにマンゴーを加えたワインゼリー
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