ブレンドワイン飲み比べを楽しむ

地中海地方の品種とブレンド
イスラエルは地中海の東端に位置し、
地中海性気候に加えてテラロッサ土壌が広く分布
することも有り、昨今のワイン造りの動向には、
地中海のブドウ品種へ回帰する傾向が見られます。

様々な地中海品種のブレンドが試みられていますが、
注目を浴びる地中海品種としては、
カリニャン、グルナッシュ、マルセラン、プティ・シラー、
ムールヴェードル、そしてシラー(シラーズ)
などが挙げられます。
南フランスやオーストラリアで造られてきた、
グルナッシュ、シラー(シラーズ)、ムールヴェードル
のブレンドはGSMとも称されて良く知られていますが、
同じくオーストラリアで良く見られる、
グルナッシュとシラーズのブレンドも盛んに造られています。
実はイスラエルのワインメーカー達の特徴の一つとして、
ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなど、
世界各地でワイン造りの勉強をしていることが上げられ、
世界中のワイン造りの技術が融合しているとも言えるのです。

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ペルター T-セレクション|シラーズ・グルナッシュ 2016

ペルター T-セレクション|シラーズ・グルナッシュ 2016 | |
タイプ | :赤ワイン |
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ぶどう品種 | :シラーズ 60% グルナッシュ 40% |
アルコール度数 | :14.9% |
味わい | :辛口 フルボディ |
熟成 | :14ヶ月樽熟。 |
ゴラン高原にあるキブツ、メロム・ゴランにあるぶどう園で収穫されたシラーズ 60%、グルナッシュ 40%のブレンドです。フレンチオーク樽にて14ヶ月間熟成された後に出荷されています。重厚感を漂わせる芳醇で厚みのある味わいながら滑らかで品の良い味わいに仕上がっています。
絶妙のバランスが香る上品で洗練された味わい
上述しましたように地中海品種への関心が高まる中で、
改めてグルナッシュが注目されるようになっています。
元々他の品種とのブレンドで使われて輝きを見せてきた品種で
あり、シラーズとのブレンドになりましたのがこのシラーズ・
グルナッシュ。
色は幾分紫がかった濃いガーネット色。
柑橘類のほのかな甘味、柔らかなロースト香、
湿った樹木の香りが広がります。

抜栓直後の最初の一口目から滑らかな口当たりに
芳醇な厚みのある味わいがゆっくりと広がり、
柔らかく上品な酸味、ほのかな果実味、
そして軽やかでソフトなタンニンの刺激が絡み合います。
全体のバランスが素晴らしいですね。
フルボディのたたずまいをしっかりと見せながら、
口当たりは滑らかで、しっとりとした品の良い味わいが漂います。

抜栓直後から楽しめますが、
抜栓後30分ほど経ちますとさらにいろいろな味わいが溶け
合って、一層柔らかくまろやかな味わいが広がります。
余韻には心地良い適度の酸味とほのかな果実の甘味が交じり合い、
絶妙のバランスと品の良い味わいを見せながら、
さらに後から柔らかく上品なタンニンの刺激が
優しく全体を包み込むのです。
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地中海の香り豊かなブレンドワイン|プサゴットのピーク

プサゴット|ピーク 2017 | |
タイプ | :赤ワイン |
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ぶどう品種 | :プティ・シラー 44% シラー 40% ムールヴェードル 16% |
アルコール度数 | :14% |
味わい | :辛口 フルボディ |
ジュデアンヒルズのブドウ畑で育った各々のブドウは最適の熟成期に収穫され、2週間半の醸し発酵を経てフレンチオーク樽で12ヶ月間熟成し、フィルターは必要最小限度に押さえられて瓶詰めされています。
プサゴットの地中海品種のブレンド
このプサゴットのピーク 2014 は、シラーにプティ・シラー、
ムールヴェードルのブレンドで、地中海エリアを強く意識して
造ったワインだそうです。
使われているブドウ品種が何とも魅力的じゃありませんか!
色は黒っぽさも漂う濃い赤紫色で、抜栓と同時にプラムや
ブラックベリーの濃密な果実香が広がります。

口に含むと豊かく柔らかなタンニンの渋みが口一杯に広がり、
これに濃厚な果実味が重なりますが、まだバランスは良くなくて
『ちょっと待って!』と言うワインの声が聞こえてきます。
それでも十分な厚み、深み、ふくよかさが漂い、かなり濃厚な
フルボディの口当たりですね。
そしてほんの20分〜30分も経った頃。果実味に透明感が加わって
バランスの良いふくよかで豊かな味わいが広がり始めます。
様々な味わいが1つに溶け合って行く中で、長く続く余韻が良い
ですね。
ゆっくりとタンニンの刺激が湧いてきて、甘さと柔らかな苦みが
バランス良く交じり合い、何とも魅惑的な果実味が、チョコレー
トやココアのアロマを引き連れながら漂うのです。

フィルトレーションは軽めに
ボトルの最後の方になっての事ですが、グラスの中に細かな澱が
見られますから、フィルトレーションは必要最小限の軽めに施し
ている事が分かります。
そしてこの効果なのでしょうか、深い奥の方から複雑味豊かな
味わいが次々と現れてきます...
プティ・シラーの濃い色合いと濃密な味わいが、これぞプティ・
シラーと言う存在感を見せ、ムールヴェードルの地中海のイメー
ジを彷彿とさせる温かな風味が漂い、
そしてシラーが少し南フランス寄りの味わいを匂わせて、透明感
のある品の良さを添えながら、何とも魅力的なバランスを醸し出
しています。

料理との相性も幅広く...
ワインだけでも十分楽しめますけれど、何故か浮かぶ料理のイメ
ージはジビエでしょうか。香りのどこかにジビエに通じる物が
ある気がします。
脂っこい料理でも負けることはありませんから、こってりとした
肉料理でもラム肉でも楽しめるでしょう。
魚料理には幅広く合いそうな印象です。地中海風パエリアが心に
浮かびますが、これはムールヴェードルの温かな地中海の匂いの
せいかも知れません。
飲み始めると止まらなくなって、そして1時間ほど経った頃。
濃厚で厚みのある味わいと共に、それだけに留まらないバランス
の取れた品の良さに溢れ、そして魅力に満ちた余韻が魅惑たっぷ
りに漂う、何とも素晴らしい味わいが広がるのです。
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繊細でエレガントな高級赤ワイン|カーメル メディテレーニアン

カーメル メディテレーニアン 2013 | |
タイプ | :赤ワイン |
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ぶどう品種 | :シラー 40%, プティ・シラー 18%, カリニャン 18% プティ・ヴェルド 18%, マルベック 4%, ヴィオニエ 2% |
アルコール度数 | :14.5% |
生産年 | :2013年 |
容量 | :750ml |
味わい | :辛口 フルボディ |
熟成 | :フレンチオーク樽にて15ヶ月間熟成。 |
生産地 | :イスラエル|上ガリラヤ地方 ショムロン地区 ジュディアンヒルズ |
各ブドウはイスラエルで最高のブドウ生産地域と言われる上ガリラヤ地方、カーメル山麓にあるジフロン・ヤーコブ、そしてジュディアンヒルズにあるブドウ園で育てられています。ブドウ毎に別々にワイン造りが行われまして、各々7ヶ月間の熟成の後に最適なブレンドが決定され、フレンチオーク樽に戻されてさらに8ヶ月間の熟成を経ています。
多様な地中海品種のブレンドワイン
試飲会などでいつも高い評価を得ているカーメル・メディテレーニ
アンは、カーメル・ワイナリーが地中海沿岸の品種を強く意識して
作り上げたワインです。
イスラエルのワインメーカーが常に念頭に置いてきたボルドースタ
イルとは少し離れ、ローヌ地方の伝統的なワイン造りが息づいてい
て、使われているブドウ品種にもその性格が現われています。

優しくエレガントなその味わい
色合いは深みのある紫色が漂う濃い赤紫色。
プラム、ブラックベリーの柔らかく濃密な果実香、森の下草や湿っ
た土壌の落ち着いた香りが漂います。
綺麗な酸味にしなやかなタンニン、そして丸みのある柔らかな果実
味、これらが繊細でエレガントなバランスの良さを際立たせ、
十分豊かな味わいを漂わせながら品の良さを醸し出しています。

優しく柔らかな味わいの中にしっかりとした骨格が存分に存在感を
主張し、濃厚な味わいの料理にも負けないふくよかさと、出過ぎる
ものの無いバランスの良さ、品の良さ、そしてアルコール香漂う
長い余韻が艶やかさを添えて、豊かな味わいが広がるのです。
今飲んでも存分に楽しめますが、10年以上の熟成ポテンシャルを
備えているワインです。
カーメル自慢の銘柄|メディテレーニアン【高級辛口赤ワイン|イスラエル】
7,568円(税込)
地中海地方の葡萄品種香るカーメル自慢の銘柄で、辛口の高級ブレンド赤ワイン。ふくよかな味わいの中にバランスの良さ、品の良さが溢れます。
ペルター・ワイナリーの絶妙のバランスの良さを見せる高品質赤ワイン【イスラエルワイン】
6,226円(税込)
上品で洗練された味わいのおすすめ高級赤ワインです。芳醇な味わいと柔らかなタンニンが絡み合い、絶妙のバランスの良さが広がります。
プサゴット|ピーク【フルボディの高級辛口赤ワイン|イスラエル】
7,414円(税込)
地中海地方のブドウ品種香る、濃厚で厚みがあり、品の良い味わいに魅力たっぷりの余韻広がるフルボディの高級ブレンド赤ワインです。
■ ブドウの生産量
イスラエルの各ぶどうの生産量は、2013年度の収穫量の順位で見てみますと以下の通りです。
1位:カベルネ・ソーヴィニョン(21%)
2位:カリニャン(15%)
3位:メルロ(14%)
4位:シラー/シラーズ(8%)
(出典: www.wines-Israel.com )
■ シラーとシラーズの違い
シラーとシラーズは同じぶどう品種なのですが、その味わいはかなり違うと言われています。フランス原産であるシラーは、滑らかな口当たりですがタンニンがしっかりしていて力強く、複雑かつ濃厚でありながらエレガントな味わいにもなると言われています。一方、シラーズと言えば今やオーストラリアを代表する赤ワイン用ブドウ品種で、色は濃く、タンニンは控えめ、甘みを伴う果実味豊かな凝縮感に富んだ味わいが特徴です。これに加えてフレンチ・オークとアメリカン・オークの樽の材質による違いもよく言われるところです。
さてイスラエルでは、ブドウの木(クローン)がどこから持ち込まれたか、あるいはワインの作りがフランス・スタイルか、ニューワールド・スタイルか等々で、シラーとシラーズの名前を使い分けているようです。名前に作り手の思い入れが込められているとも言えますね。