
高品質ワイン作りを続けるチューリップ
ワイナリー
チューリップ・ワイナリーは、かれこれ5年ほど前から関わりを持ち続けているイスラエルのブティック・ワイナリーです。
イスラエル大使館主催のワインイベントが毎年開かれることから、イスラエルのワイナリーは結構来日する機会が多いのですが、チューリップ・ワイナリーのCEOであるロイ・イツハキさんも3,4年に渡って毎年来日しては熱心に日本での活動を続けていまして、そのたびにお会いしてあれこれお話をさせていただいています。

CEOのRoy Itzhakiさん(左)とイスラエルワイン
アンバサダのTal GAL-COHENさん
イスラエルのブティック・ワイナリー
イスラエルは四国ほどの大きさなのですが、60ほどの商業規模のワイナリーに加えて200を超えるブティック・ワイナリーが興隆しています。
このブティック・ワイナリーの活発な活動もイスラエルワイン業界の大きな特徴の一つになっているのです。
そして彼らの作るワインの品質の高さは、市場では高く評価されていまして、チューリップ・ワイナリーで言うならば、ハイエンド商品であるBlack Tulip 2012 が、2016年にはワイン・アドヴォケイト誌が選ぶ『2016年を代表する3本のワイン』に選出されています。
もちろんイスラエルワインの中での3本という話ですが、ドメーヌ・デュ・カステルと並んで選ばれていまして、これはなかなかのものですし、その後も引き続き高いWAポイントを獲得し続けているのです。
先日イツハキさんにお会いしたときに改めて試飲しましたが、とても深く柔らかな味わいの赤ワインです。
またBlack Tulipと一緒に試飲したSyrah Reserveもとても魅力的な味わいでした。
以前はBlack Tulip以外のエチケットが何とも不細工だったのですが、これも新しいビジョンの基に一新し、すっかりスマートな装いになっていますし、今後の活躍がますます期待されるところです。
注目が高まる地中海地方のブドウ品種
そしてもう一つ注目していますのがチューリップ・ワイナリーの姉妹ワイナリーであり、地中海地方のブドウ品種に特化してワイン造りを始めたマイア・ワイナリー(MAIA winery)。CEOは同じイツハキさんです。

マイア・ワイナリーのワイン
そもそもイスラエルは地中海の東端に位置し、地中海性気候に加えてテラロッサ土壌が広く分布する環境がありまして、昨今のイスラエルのワイン造りの動向には、地中海地方のブドウ品種(主に、環境が似ている南フランスの品種)に注目する傾向が見られます。
ここで注目されている品種としては、
赤ではカリニャン、グルナッシュ、プティ・シラー、
ムールヴェードル、そしてシラー(シラーズ)、
白ではヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌなどが挙げられます。
従来のボルドースタイルのワイン造りからちょっと離れて、これらの地中海地方のブドウ品種への関心は今後とも広がるでしょうし、イスラエルワインの主要な傾向の一つとして注視していく必要があるように思います。
さて今回の試飲会とは別に、イスラエルへ発注していたマイア・ワイナリーのワインが届きます。
イツハキさんにお会いする前に試飲してみたのですが、全般に赤白ともに軽やかな味わいのワインです。
特に白が地中海の雰囲気を匂わせて特徴的でしたが、これはマルサンヌとフレンチ・コロンバールのブレンド。照りつける日差しの中で飲むにピッタリの、明るく爽やかな味わいが印象的でした。

Maia MARE WHITE 2017
この事をイツハキさんに話しますと、『地中海料理には軽やかなワインが合う...』との事で、意図的に軽めのワイン造りを目指しているそうです。
当店も最初はヴィトキン・ワイナリーからスタートしましたし、現在扱っているプサゴットやペルターなどもブティック・ワイナリーの範疇に入りまして、今後ともブティック・ワイナリーに注目して応援していきたいところです。
ただどこも数万〜数十万本程度/年間と生産本数は少ないですから、どうしても価格が高くなってしまうのが悩みの種ですね。
イスラエルワインをお試しになりたくなった方はこちら:
『また飲みたくなる!
イスラエルワインの歴史と特徴とおすすめワイン』
